高卒で公務員になれば勝ち組?意外と知らない公務員の現状も紹介

「高卒で公務員になれば勝ち組なの?」

「実際、公務員の現状はどう?」

上記のように思っている方は、多いのではないでしょうか。

公務員は、「給与が高い」「一生なくならない仕事だから安定」といわれることもあります。

そのため、高校卒業後に民間企業に就職するよりも、公務員になったほうが勝ち組だと考えられているのです。

今回の記事では、高卒で公務員になれば勝ち組とされる理由を紹介し、公務員の現状、公務員に向いている人・向いていない人も解説していきます。

記事の後半では、高卒から公務員になるための方法も紹介するので、高校卒業後に公務員になろうか迷っている方は、ぜひ参考にしてみてくださいね!

目次

高卒で公務員になれば勝ち組とされる理由

高卒で公務員になれば勝ち組だといわれる理由は、おおきく以下3つです。

  1. 高卒の中では民間企業と比較して給料が高いから
  2. 景気に左右されにくいから
  3. 手当の種類が豊富だから

上記3つを読んでも、勝ち組とされる理由がわかります。

それでは、順番に解説していきます。

高卒の中では民間企業と比較して給料が高いから

高卒で公務員になれば勝ち組だとされる理由は、給与が高いからです。

あくまで平均ですが、高卒公務員の月給は、20万円程度となっています(国家公務員、地方公務員を含めた全体の年収/12ヶ月)。民間企業に就職した場合の月給は、18万円程度です。

高卒の公務員と民間企業の月給を比較してみると、公務員のほうが月給が高いです。毎月2万円の差でも、年間を通して考えれば24万円の年収差になります

公務員の場合は年齢を重ねれば、その分給与も上がる年功序列のような体制なので長く働ければ働くほど給与は右肩上がりでしょう。

定年が近くなれば、年収700万円を超えることもあり、高卒で年収が700万円を超えることは民間企業では珍しいことのため、勝ち組といわれています。

景気に左右されにくいから

公務員の仕事は、景気に左右されにくいです

なぜなら、国や地域のために働く仕事のため、法律によって公務員という身分が保障されるからです。

また、公務員は業務を通して利益や売上を追い求めないケースが多いです。

基本的に、公務員の仕事は「国や地域の不満や声を聞いて、行政活動に活かすこと」が必要とされています。そのため、何かの商品やサービスを販売しているわけではなく、景気が悪かったとしても国民は市役所や公安(警察や消防)を必要とするため、景気に左右されにくいのです。

景気に左右されにくい=どの時代も給料が安定している」ともいえます。

職を失う可能性は極めて少なく、給料が安定しているので、高卒で公務員になれば勝ち組とされています。

手当の種類が豊富だから

公務員の諸手当は種類が豊富です。

例えば以下のような手当が存在します。

  • 地域手当
  • 特殊勤務手当
  • 時間外勤務手当
  • 宿日直手当
  • 管理職員特別勤務手当
  • 夜間勤務手当
  • 休日勤務手当
  • 管理職手当
  • 期末手当
  • 勤勉手当
  • 扶養手当
  • 住居手当
  • 単身赴任手当
  • 寒冷地手当
  • 初任給調整手当
  • 特地勤務手当
  • へき地手当
  • 通勤手当
  • 特定任期付職員業績手当
  • 任期付研究員業績手当
  • 退職手当

上記で該当するものがあれば、月給約20万円に加えて、手当として支給されます。

また、期末手当と勤勉手当は、民間企業でいう賞与(ボーナス)にあたります(勤勉手当は6月、期末手当は12月頃の年2回の支給)。

民間業界全体のボーナス支給実績の増減を参考にするため、民間とほぼ同じ支給額となります。とはいえ、民間では、ボーナスが出たり、下がったりする場合があるのに比べて、公務員の場合は毎年安定してボーナスが支給されます。

手当も豊富かつ、ボーナスも毎年支給という高待遇のため、高卒公務員は勝ち組だとされています

本当に高卒で公務員になれば勝ち組?公務員の現状

ここからは公務員の現状を紹介していきます。

公務員を目指す前に、まずは知っておきたい公務員に関する基本的な情報なので、しっかり読んでいってくださいね。

具体的には以下の6つを紹介します。

  1. 地方公務員と国家公務員の違い
  2. 高卒程度認定試験には年齢制限がある
  3. 高卒・大卒の給料の違い
  4. 年功序列の傾向が高い
  5. 民間企業への転職が難しい
  6. 副業ができない

順番に解説していきます。

地方公務員と国家公務員の違い

まずは地方公務員と国家公務員の違いについて解説していきます。

具体的には以下の違いがあります。

地方公務員と国家公務員の違い
地方公務員

県庁や市役所などで働く公務員のこと

国家公務員

中央官庁やその出先機関で働く公務員のこと

国家公務員の場合は、国家機関運営に携わる一方、地方公務員は住民のニーズを把握し、それに応えることを本質としています。

また、業務内容も両者で異なります。

国家公務員は政策や法令の立案、予算編成・執行、国民への行政サービスなどですが、地方公務員はまちづくりなどの地域に密着した業務を行います。

試験内容も国家公務員と地方公務員で異なるため、自分が将来やりたいことを考えながらどちらの公務員を希望するかを決めてみてください。

高卒程度試験には年齢制限がある

公務員試験には年齢制限があります。

また、試験の種類や区別ごとで年齢制限の条件が異なります。

高卒程度試験の上限は20代前半です。

万が一、卒業してから公務員になれなかったとしても、その翌年に再受験も可能。まずは一回で合格できるように準備を進めていきましょう!

高卒・大卒の給料の違い

民間企業との比較ではなく、高卒公務員と大卒公務員の給料の違いを解説します。

具体的には以下のような違いがあります。(参考:)

▼国家公務員の場合(参考:令和3年国家公務員給与等実態調査の結果

年齢高卒大卒
〜20歳未満165,198円213,015円
20代232,599円244,531円
30代353,320円391,381円
40代453,941円506,158円
50代493,261円528,616円
60代431,467円509,060円
国家公務員の高卒・大卒給料比較表

▼地方公務員の場合(参考:令和3年地方公務員給与等実態調査の結果

年齢高卒大卒
〜20歳未満154,524円158,400円
20代225,832円234,661
30代293,565円299,572円
40代374,532円388,747円
50代398,655円420,170円
60代311,103円342,821円
国家公務員の高卒・大卒給料比較表

地方公務員では、給料の差がそこまで感じられませんが、国家公務員では月収3万円〜10万円ほどの差が生じます

平均月収ですので、職種によっては上記以上の差がある場合もあります。

年功序列の傾向が高い

公務員は年功序列の傾向が高いです。

上述した高卒・大卒の給料比較表でも分かる通り、年齢とともに昇給しています。たとえ、1年目でたくさんの仕事を覚え、できるようになったとしても、すぐに上司を追い越せるかといわれれば難しいでしょう。

「1000万円稼ぎたい!」

「自分の成果をしっかりみて評価をしてほしい」

というような方は、公務員に向いていないといえます。

民間企業への転職が難しい

民間企業への転職が難しいとされる理由は、ふたつあります。

  1. 利益を追い求めない業務であること
  2. 専門スキルが身に付きにくいこと

公務員の特徴のひとつとして、2年〜4年での部署異動があります。

基本的には、商品やサービスを販売する仕事はないため、民間企業のように利益を追い求める業務がありません。

簡単にいってしまえば民間企業は、”どれだけ利益を生み出せるか”が重要です。利益がなければ赤字だけではなく、倒産も考えられます。

公務員の業務は、商品やサービスの販売はないため、利益を追い求めるケースが少ないです。

したがって、うまくアピールできなければ「活躍できなさそう…」という印象を与えてしまい、転職ハードルが高まります。

また、数年で部署異動があるため、たくさんの仕事を経験できても専門的なスキルを身につけるのは難しいでしょう。

副業ができない

民間企業では、会社規定により副業がOKとされるケースもありますが、公務員の場合はNGです。

なぜなら、「国家公務員法」と「地方公務員法」で「営利目的での務めまたは私企業の経営の禁止」とされているからです。とはいえ、副業を解禁した地方自治体もあります。

もし、公務員になってからどうしても副業をやりたいと考えている方は、自分が受験する自治体のルールも確認してみてくださいね。

公務員に向いている人

ここからは公務員に向いている人を紹介していきます。

具体的には以下のような方が向いています。

  • 景気に左右されにくい職業に就きたい人
  • ルーティンワークが得意な人

順番に解説していきます。

景気に左右されにくい職業に就きたい人

入社してから安定して働きたい方は、公務員が向いています。

ここでいう”安定”の定義も曖昧ですが、「職が失くなる可能性が少なく、比較的高い給与が安定的にもらえる」という”安定”とします。

公務員は、景気に左右されにくい職業です。民間企業では、従業員がどれだけ頑張って働いたとしても、景気が悪ければ売上に繋がらない場合もあります。

「売上に繋がらない=ボーナスカットや給与カット」などにも繋がりますが、公務員の場合は商品やサービスを販売しているわけではないので、給与が下がりにくいです。

とはいえ、公務員だけが景気に左右されない職業というわけではありません。

民間企業でも景気に左右されにくい会社はあるので、視野を広げて企業を探してみてくださいね。

ルーティンワークが得意な人

ルーティンワークが得意な人は、公務員に向いています。

地方公務員であれば、市民窓口での対応や毎年同じシーズンに同じ業務をミスなく進める仕事もあります。

部署が変わったとしても基本的に、市民窓口での対応する内容が変わるくらいで、行う業務が変わることは少ないでしょう。

毎日淡々と同じような業務を行うことを苦痛に感じない人は、公務員になっても後悔しないといえます。

一方、自分の意見やアイデアをもとに、試行錯誤しながら仕事を進めたいという方は、公務員の仕事とはミスマッチの可能性もあります。

公務員に向いていない人

続いては、公務員に向いていない人についても紹介します。

具体的には以下3つです。

  • 若いうちから稼ぎたい人
  • 好きなことを仕事にしたい人
  • 将来的には独立を考えている人

順番に解説していきます。

若いうちから稼ぎたい人

「20代のうちに年収1000万円を目指したい」「月収30万円以上稼ぎたい」という方は、公務員には向いていないでしょう。

上述したように、公務員は年功序列の傾向が高いため、年齢を追うごとに給与が上がります。そのため、入社して2、3年で月収30万円になったり、年収1000万円稼げたりするのは難しいです。

商品やサービスを販売しているわけではないので、年齢に関係なく自分の頑張りを評価してもらいたい方は、民間企業に就職することがおすすめです。

好きなことを仕事にしたい人

公務員に向いていない人の特徴ふたつ目は、好きなことを仕事にしたい人です。

自分の趣味や好きなことを仕事にしていきたいと考えている方は、一度考え直しましょう。

たとえば、年間休日が125日とすると、1年のうち2/3は仕事の時間です。公務員となると職種にもよりますが、事務職での単純作業が多くなり、本人にとってはやりがいをあまり感じられない仕事の可能性があります。

やりがいがなければ、1年の2/3を費やすことは難しいですよね。

そのため、好きなことを仕事にしたい人は、民間企業でその仕事ができる会社がないかをまずは、探してみてくださいね。

将来的には独立を考えている人

将来的に独立を考えている場合は、民間企業に就職するほうがいいでしょう。

公務員の場合は、事務職や経理職などに活かすことができる可能性はありますが、たとえばプログラマーや飲食店の開業を目指している方は、公務員でのスキルを活かすことは難しいでしょう。

公務員で3年働き独立するよりも、民間企業で将来独立してやりたい仕事の経験を積むほうが有意義な時間につながる可能性が高いです。

まずは、自分のキャリアプランを考え、納得した上で進路を決めてください!

高卒から公務員になるための方法

最後に、高卒から公務員になるための方法を紹介します。

ここまで読んで、やはり高校卒業後に公務員を目指そうと思った方は、以下の内容も参考にしてみてくださいね!

高卒程度の公務員試験を受けて合格する

高校を卒業後に公務員になるためには、高卒程度の公務員試験を受験し、合格することが必須です。

具体的には以下のような試験があります。

  • 一次試験(筆記試験や体力テスト)
  • 二次試験(面接)

順番に解説していきます。

一次試験(筆記試験や体力テスト)

公務員一次試験は、一般教養テスト(筆記試験)や作文などが行われます。

高校までに学習した範囲内で出題されるため、中学〜高校までの内容を幅広く学習しておきましょう。

作文試験では、当日にお題が出題されます。過去問からどんなテーマが出るのかを予想し、文章を作ることに慣れておくとよいです。

また、一般教養や作文試験のほかに、職種によっては体力テストがあります。シャトルランや反復横跳びなど、体育でも行うような体力テストとはいえ、日頃から運動することを習慣づけておくとよいです。

一般教養や作文、体力テストなど学歴に関わらず対策しておけば、通過できるものなので、十分に試験対策をしておきましょう。

二次試験(面接)

一次試験通過後は、二次試験で面接が待っています。

面接形式は、集団か個人の2パターンですが、自治体によって異なるため事前に確認しておくことをおすすめします。

面接で見ているポイントとしては、人柄や人間性など、受験者の人となりを重視している場合が多いです。そのため、各地方自治体や職種が求める人物像・知識・スキルを確認し、面接対策をしておきましょう。

試験合格を勝ち取るためには、入念な面接対策が必要なので、徹底的に自己分析をし、自分のことをうまく伝えられるようにしましょう。

まとめ

ここまで、高卒で公務員になれば勝ち組とされる理由や公務員の現状、公務員に向いている人・向いていない人を紹介してきました。

公務員になれば勝ち組とされる一番の理由は、職を失う可能性が低く、景気に左右されずに安定的に給与を稼げるからです。

年功序列である傾向が高いものの、働く期間が長ければ長いほど給与は右肩上がりなので、安定して働きたい方に向いています。

高卒程度の公務員試験に合格すれば、公務員になれるので、高校卒業後に公務員になりたいという方は、まずは試験勉強や自己分析から始めてみてくださいね!

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