自己分析とは?分析するべき理由と高校生にできる簡単なやり方を紹介
高校卒業後の進路選択は今後の人生を大きく左右する重要な選択です。
もしもやみくもに進路を選んでしまって、自分に合わず後悔したくはないですよね。
しかし進路を選択するといっても、
「将来やりたいことが決まっていない」
「どんなことに向いているのかわからない」
「就職先(進学先)は、どこにしたらいいだろう」
といった悩みがある方も多いのではないでしょうか。
その進路選択の悩みを解決するためには、『自己分析』が大切です。
自己分析をすることで、改めて自分に向いていることややりたいことを明確にし、進路選択に役立てましょう。
この記事では自己分析とはそもそも何なのか、そして具体的な方法まで紹介するので、ぜひ参考にしてくださいね。
そもそも自己分析とは
自己分析とはあなたの過去の出来事や経験を振り返り、強みや弱み、大切にしている価値観を知ることを言います。
例えば、あなたが『バスケ部でレギュラーになった』経験があるとします。過去の経験から、
- 具体的に何を頑張ってレギュラーになれたのか
- なぜ頑張ることができたのか
- 結果を出すために何を考え行動したのか
などを整理しましょう。整理した中の一例として『毎日基礎練習をすることをルーティンとした』とが出てきたとします。
ここからあなたは、毎日コツコツとルーティンを積み上げることが得意という特徴が見えてきますね。
今回は一例なので少々短絡的ではありますが、実際の分析ではいくつかの出来事の共通点を見つける形で分析していきます。
一般的に自己分析は就職活動の準備として取り組む人が多いですが、進学希望の高校生も同じように進学先や学部・学科などを選択するのに有効な手段です。
自己分析に決まった方法はありませんが、個人で今すぐできる方法を今回の記事では紹介するのでぜひ自己分析を実施してみてください。
高校生が自己分析をすべき3つの理由
実際に自己分析を行なう前に、自己分析をする理由も知っておきましょう。理由があいまいなまま取り掛かっても、漠然とした結果になりかねないからです。
自己分析をすべき理由は3つあります。
- 自分を客観的に知るため
- 進路とのミスマッチを防ぐため
- 自分の将来像を明確にするため
上記3つの理由は、自分に合った進路選択をするために必要な要素となります。
1. 自分を客観的に知るため
進路に悩んでいる方の多くは『自分がどういうことをしていきたいのか』定まっていない方が多いのではないでしょうか。
好きなことや嫌いなことテンションの上がることなど自分を客観的に知ることができれば、自分に合った後悔のしづらい進路が選べるようになります。
もしかすると、
「自分のことは自分が一番わかっている」
と考える方もいるのではないでしょうか。
ただ改めて過去の出来事と自分の特徴をまとめておくと、決めた進路を家族・先生に説明するときや就活・受験の面接があれば、アピール材料にも使えるので便利ですよ。
2. 進路とのミスマッチを防ぐため
自己分析をせずに進路を決めた場合、
「入社前に想像していた仕事と違う」
「こんなはずじゃなかった」
とミスマッチが起こる可能性があります。せっかく就職するならば、自分に合った会社に就きたいですよね。ミスマッチは想像と現実とに、ギャップが生じることによって起こります。
自分の特徴や大切にしている価値観をあらかじめ知っておくことで、起こりうる事態を予測しギャップを少なくすることでミスマッチを防げますよ。
3. 自分の将来像を明確にするため
自分の大切としている価値観が分かれば、それを実現し続ける環境も自ずとわかります。将来的に身につけたいスキルや、歩みたいキャリアなど目標を明確にしましょう。
これからどうなりたいのかはっきりさせ、どうすべきか具体的な行動まで考えます。目指したい環境と今から取るべき行動を整理することは進路を考えるうえで大切です。
高校生が自己分析をする2つの効果
自己分析をするべきなのは、実用的な効果があるからです。ただ、具体的にどんな効果があるのかわからないとやる気にもつながらないですよね。
先ほど説明した3つの理由を達成するのが効果でもありますが、さらに具体的に紹介します。ここで説明するふたつの効果を理解し、進路選択に生かしましょう。
向いていること・やりたいことが明確になる
客観的に見た自分をもとに、向いていること・やりたいことが明確になります。言い換えれば、進路選択をする上で、『重視すべき軸』が決まるということです。
職業や仕事内容など具体的なものでなくても『コツコツとルーティンワークをする』『人と密に接する』など自分の性格を踏まえたものでも構いません。
それぞれの進路を比較したときに『最も自分の持つ軸を尊重できることは何か』を考えれるのが、自己分析の生む効果の一つです。
未来の自分を想像してこれからすべきことがわかる
自己分析で自分を客観的にみて将来像を考えた結果、今の自分に足りないものも同時に出てきます。
仕事を行う上でのスキルや実務経験、資格など歩みたいキャリアによって異なります。
想像した未来を実現するためにこれからすべきことがわかる、つまり目標と方針がわかるのは一つの効果といえます。
今すぐできる自己分析のやるべき項目
自己分析の方法は様々ですが、ここでは4つの手法を紹介します。
- 自分史
- モチベーショングラフ
- 他己分析
- ツールで分析
まずはそれぞれの概要を紹介します。具体的な方法については、記事の後半の『今すぐできる自己分析のやり方【3STEP】』で説明するので、ぜひやってみてくださいね。
過去の自分を振り返る『自分史』
『自分史』とは、自分の過去を時系列に沿って振り返る手法です。小学生、中学生、高校生のそれぞれの時期にあった、あなたにとってのターニングポイントや印象的な出来事をまとめましょう。
下図のように、時系列で表を作るのが簡単です。
『自分史』を作ることの目的は以下の2つです。
- 自分が大切にしている価値観を知る
- 自分の強みや弱みを知る
過去の出来事から『こういう風に考えていた』『こういうときに行動している』といったあなたの行動原理、価値観を知るきっかけになります。
うまくいった出来事、よくしている行動から自分の強みや弱みを整理して進路選択に活かせるのが自分史です。
自分のモチベーションを知る『モチベーショングラフ』
『モチベーショングラフ』は、過去から現在までのモチベーションを振り返る手法です。あなたのモチベーションはいつ上がるのか、それはなぜなのか分析します。
記憶にあるモチベーションが上がったこと、下がったことをそれぞれ比較し、グラフとして書いてみましょう。
『モチベーショングラフ』の目的は以下の2つです。
- 自分の価値観を知る
- 自分がモチベーションを高く持っていられるシーンを知る
モチベーションが高いところの共通点や、高いところと低いところの違いを見ることによって、あなたの価値観を知ることができます。これからの進路を考える際にも、モチベーションを高く保てる状況を知っていれば判断の軸として使えます。
客観的に自分をみる『他己分析』
自己分析と聞けば自分だけで完結してしまいがちですが、『他己分析』を受けることも手法の一つです。自分のことを客観的に見ることが自己分析には大切なので、第三者から見たあなたを教えてもらいましょう。
家族や友人、学校の先生などあなたが特に信頼している人に聞くのがおすすめです。
他己分析には短所や改善すべき点を聞くことも含まれるので、あなたのことをよく知っており正直に伝えてくれる人に聞けるとより理解が深まります。
『他己分析』として聞く項目は以下を参考にしてください。
- 私の第一印象は?また、最近の印象との違いは?
- 私の長所は?
- 私の短所は?
- 私の伸ばした方がいいところは?
- 私の改善すべきところは?
直接聞きづらいならば、質問シートを用意して記入してもらうのも良い方法ですね。それぞれの項目をエピソードと共に教えてもらうことで、自分自身とのギャップを図ります。
もし自分の考えと他己分析の結果に差があるようならば、なぜ差が存在するのか深く考えましょう。そこに、あなたの価値観や理想像があるかもしれません。
『他己分析』の目的をまとめると以下の通りです。
- 自分では気づけていない、自分の特徴を知る
- 自分の考えと第三者から見た自分の差(ギャップ)を知る
すぐに結果が欲しいならツールを使うのもおすすめ
Web上には、適職診断・適学診断といったツールも数多く存在します。いくつかの質問に答えて結果が表示されるものです。
自分で過去を振り返るのが苦手な方や、周囲の人に自分のことを聞けない方は、ツールを使って自己分析をしましょう。
高校生が自己分析をする上でおすすめのツールは、こちらの記事で紹介しているので是非参考にしてくださいね。
今すぐできる自己分析のやり方【3STEP】
ここでは、具体的に自己分析を進める方法について紹介します。紙とペンがあれば今すぐにできる内容ですので、ぜひ一緒にやってみましょう。
STEP1:まずは自分のことを振り返る
まずは、今までの自分を振り返ります。方法はいくつかあります。自分のやりやすい方法で取り組みましょう。
『自分史』で振り返る
自分の過去を年表のように作成し、振り返ります。あなたにとってのターニングポイントや、印象に残っている出来事を書いていきましょう。
小学生、中学生、高校生など時期に分けて考えるとみやすくなります。
いきなり上記の画像のような表を作るのは難しいと思うので、質問項目を用意しました。
以下を参考に、どんな出来事があったか振り返ってみてください。
- 転機となったことは?
- 一番楽しかったことは?
- 一番頑張ったことは?
- 熱中していたことは?
- 自慢できることは?
- 挑戦したことは?
- 一番辛かったことは?
- 失敗、反省したことは?
『モチベーショングラフ』で振り返る
これまでのモチベーションの変化をグラフで表します。グラフの推移は、自分の感覚でかまいません。
モチベーションの上下が起こった出来事と、そのとき感じたことを書いていきましょう。
自分史の説明でも取り上げた、質問項目を参考にして作成するのがおすすめです。
STEP2:自分では見えない個性を知る
自分の過去の出来事を振り返ったら、第三者にもあなたについて聞いてみましょう。『他己分析』として自分では気づけていない個性を知ることは、より自己分析を確かなものにします。
家族や友人、学校の先生など信頼のおける人に聞くのがおすすめです。あなたの長所や短所、伸ばした方がいいと思うところ、改善した方がいいと思うところなど、尋ねてみましょう。
端的に教えてもらうだけではなく、なぜそう思うのか、どんな出来事でそう思ったのか、細かく知ることでSTEP1の出来事と関連を持たせることができればより良いです。
STEP3:自分の過去と現在、これからについてまとめる
STEP1とSTEP2で振り返ったことを、深掘りしましょう。
まずはSTEP1の項目に対して『なぜそういうふうに行動したのか』『なぜそういうふうに感じたのか』を考えます。
【出来事】テストで初めて学年上位を取れて嬉しかった
↓なぜ嬉しかったのか
・コツコツ頑張っていたことが実を結んだから
・自己肯定感が上がったから
・先生や両親から褒められ、認められた気がしたから
↓ここからわかること
『目標に向かってコツコツ頑張ることができる性格』
『周囲に認められたい性格』
以上のようにそれぞれの出来事を深掘りして、あなたが重視している価値観、持っている強み、苦手としていることなど、特徴を書き出します。
複数の出来事から共通している特徴を書き出すのが良い方法です。
例えば『試行錯誤するのを楽しんでいる』や『大人数で何かするより一人で取り組むことを好む』など一つの出来事からでは分かりにくい特徴もいくつかの出来事を照らし合わせることで判明することもあります。
すべての出来事の深掘りが終わったら、 STEP2の他己分析結果と照らし合わせてみましょう。
自己分析の結果と他己分析の結果があっていれば、自他共に認める特徴として裏付けができます。また、自己分析と他己分析に矛盾する内容があった場合は、なぜそのような結果になったのか考えてみましょう。
自分の思い込みの場合もありますし、自分の考えを周囲に伝えきれず勘違いが起きているかもしれません。なぜ自分と周囲にギャップが生まれているのか考えることで、さらに特徴が見えてくることもあります。
すべての特徴が見えてきたら、それをこれからも大切にしたい価値観としてまとめましょう。その大切にしたい価値観こそが、進路を選択する際の軸となります。
自己分析をする際に注意するポイント
自己分析は自分自身でする作業が多い分、間違った方法を誰かに指摘されることはありません。注意すべきポイントをまとめるので、間違った方法をやっていないか確認しましょう。
事実にはない思い込みを入れない
自己分析には客観性が大切です。事実のみを書きましょう。
後悔しない進路選択のために自己分析を行なっているので、事実ではない想像が混ざると、最終的に自分には合わない進路を選択してしまうことになるかもしれません。
あなたが経験した出来事、あなたが本当に持っている価値観のみに着目しましょう。
短所を見過ぎない
過去を振り返るとつい悪いことばかり考えてしまう人もいると思います。自己分析でわかった短所は長所に変えられないか考えてみましょう。
例えば、「プライドが高い→上昇志向がある」「飽きっぽい→新しい物好き、好奇心旺盛」などです。
ある場所では短所でも、別の場所では長所として捉えられることはたくさんあります。進路選択でも、短所になりうることを長所として生かせる道を探すのは重要です。
最近だけでなくもっと過去も振り返る
自分史やモチベーショングラフで過去を振り返る際、高校時代や中学時代だけでなくもっと前も振り返りましょう。
より多くの出来事から共通点を洗い出すことができます。
また『昔はこう考えていたが、今はこう変わった』などあれば、自分を振り返り改善することができる、といった長所も見えてきます。
最近の傾向だけでなく、あなたの行動の元となっている根本的な価値観を知ることが大切なので、しっかり過去を振り返りましょう。
自己分析ができたら進路を絞ろう
自己分析の結果を今後の進路に当てはめてみましょう。あなたの大切にしている価値観や強みを活かせるものを考えます。
考え方として、以下の3つを参考にして下さい。
- 興味のあることから考える
- 強みから考える
- 将来のビジョンから考える
自分が興味を持っていることができる環境や強みを活かせる環境、将来の理想がありそれを実現できる環境などから進路の選択肢を絞ります。
もしそれでも迷ったら
自己分析が終わってもどうすべきか迷いがあるなら人に相談してみましょう。学校の先生ならば今まで多くの生徒を送り出してきた経験があると思います。
自分の特徴を伝え、どうするべきか聞いてみましょう。
あなたがどこまで考えていて、何で迷っているのか、正直に伝えれば解決に進むような相談ができるはずです。また就職をすると決まっていて今後の就職活動や職場選びに悩んでいるなら『U:story』がおすすめです。
『U:story』は高校生の就職活動をサポートする情報メディアです。
就職活動の進め方や悩みの解決方法、高卒を募集している企業の情報などを発信しています。
ぜひ参考にしてみて下さいね。
まとめ
この記事では、進路選択のために行なう自己分析の方法を紹介しました。
- 自分史
- モチベーショングラフ
- 他己分析
それぞれ有用なものなのでぜひ実践してみましょう。自分の大切にしている価値観から後悔のない進路選択に役立てて下さいね。
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