高卒就職の現実は?衝撃の就職率とキャリアップする方法を徹底解説
あなたにひとつ質問です。
「高卒で就職するのはやめなさい。大学に進学して勉強してから社会に出たほうが成功するよ」
こんなことを大人から言われたことありませんか?
あなたのお父さんやお母さん、親戚の方などの大人は学歴社会で生きてきた人がほとんどです。だからこそ自分の子供たちには大学に進学して将来成功してほしいと思い、上記のような言葉をかける人もいます。
また同級生でも大学進学するのが当たり前と思い、進学の選択肢しかもたない人が大勢いるのは事実です。
現代の社会では学歴よりもスキルや能力値を重視している企業がほとんど。大学に進学したからといって高い給料をもらい、満足のいく将来の生活を送れるとは限りません。
しかし高校卒業後にすぐ就職するのは少数であるからこそ、現実を気になっていませんか?
「高卒で就職して実際どうなの?」
「就職後、安定した職につくことってできるの?」
「就職って難しくないの?」
といった疑問を持っているはず。
高卒で就職するのは現実問題、簡単ではありません。ただし、高卒だから、大卒だからは関係ないんですよね。
そこで今回は『高卒就職の現実』について採用担当者や人事を担当している筆者が解説をしていきます。実際の現場の話を踏まえ解説していくので、今後の就職活動に活かしてください。
高卒就職の現実は厳しくない!
高卒から就職することは厳しいとはいえません。かつては学歴を重視して採用する企業がほとんどでした。
しかし現代では高齢化社会から退職する人は増える一方で、新しく入社する人材が確保しにくい時代となりつつあります。また、学歴よりもスキルや能力、人間性など採用における基準が変わりつつあるのです。
採用基準は企業によるため一概には言えませんが、高卒だから就職が厳しいというわけではないんですね。
ではそもそもなぜ高卒就職の現実は厳しくないのか?理由を解説していきます。
高卒就職は厳しくない3つの理由
繰り返しになりますが、高卒就職は厳しくありません。なぜ厳しくないのか?以下の3つの理由があります。
- 高い就職率
- 豊富な求人数
- キャリアアップ可能
それぞれ具体的なデータを元に解説していきます。
高い就職率を誇る
『高卒は就職できない』といったイメージがある人は間違っています。文部科学省の調査によると、高校生の就職率は以下のような結果があります。
全体 | 98.2% |
男性 | 98.5% |
女性 | 97.6% |
参考:「平成31年3月高等学校卒業者の就職状況(平成31年3月末現在)に関する調査について 」
以上のデータから、全体の98%以上が就職をできているとわかります。高卒から就職を希望している人のほとんどが就職できているんですね。
もし『大卒じゃないと就職できなさそう』といった理由だけで就職にマイナスイメージを持っているならば、一度立ち止まって考えてみても良いかもしれません。
豊富な求人数
いくら高卒の就職率がいいといっても「どこでもいいから就職したい」といった人は少ないかと思います。
自分に合った就職先を目指したいですよね。
厚生労働省が公開している調査によると、高校新卒者におけるハローワーク求人の状況は以下のようになっています。
求人数 | 約33万6千人 |
求職者数 | 約16万人2千人 |
求人倍率 | 2.08倍 |
参考:「令和2年度「高校・中学新卒者のハローワーク求人に係る求人・求職状況」取りまとめ 」
高校新卒の求人倍率は2.08倍で、求職者一人に対して2つ以上の求人があることがわかります。
高卒で就職する上で仕事を選べる状況であるため、自分のやりたいことや向いていることを踏まえて満足のいく就職活動を行うことが可能です。
スキルを身につければキャリアアップも可能
高卒で就職できたとしても、大卒との初任給の差や仕事の違いなどで悩むこともあるでしょう。
しかし、一度就職してしまえば、学歴に関係なくキャリアアップが可能です。
実際キャリアアップのために転職をしようとすると、求人情報には、
- 実務経験年数◯年以上
- 資格保持者
- 特定の技術を持っている人
といった実力が重視され、学歴について言及されないケースがほとんどです。
そのため、高卒だからと差を感じるのは最初に就職した直後までで、スキルを身につけてしまえばほとんど関係がありません。
むしろ、スキルを身につけるといった点では、同年代の大卒より早く実務経験の積める高卒の方が、有利とも考えられますね。
もしキャリアアップをしたいと考えているならば、よりスキルアップをしやすい会社を調べることがおすすめです。
会社によっては資格取得を支援してくれたり研修が充実していたりと、スキルに関する取り組みをアピールしているところがあります。
自分の将来のキャリアを踏まえて前向きに考えましょう。
高卒就職でキャリアステップしていくには?
ここでは、実際に高卒からキャリアアップしていく方法を、解説していきます。先ほど、スキルを身に付ければ学歴は関係ないと説明したので、より具体的に行なう指針になればと思います。
ぜひ参考にしてみてください。
資格を取得する
まずは資格を取得する方法があります。
資格の有無は、自分の実力を伝えるための最も簡単な方法です。
資格を取るタイミングは、就職後だけでなく高校在学中の今から準備できるものもたくさんあります。もし高校在学中に取得できれば、そのまま就活に生かすことが可能なので、挑戦してみるのもいい方法ですね。
ここでは、高校生の今から取得を目指せる、人気の資格を4つ紹介します。
- MOS(Microsoft Office Specialist)
- 簿記検定
- TOEIC
- 普通自動車免許
さらに詳しく資格について知りたい方は、別の記事にまとめているので、そちらもぜひ参考にしてみてくださいね。
→資格に関する記事へリンク
MOS(Microsoft Office Specialist)
MOSはマイクロソフトオフィス(Word、Excel、PowerPoint)を使いこなすスキルを証明する資格です。
パソコンを使う仕事ならば、マイクロソフトオフィスを利用している企業がほとんどなので、MOSの資格が役立ちます。特に未経験から事務職を目指したい場合は、高校在学中にMOSを取得していると、アピールポイントとして使えるのでおすすめです。
受験方法は、毎月1〜2回行われる「全国一斉試験」と、会場が試験日を定める「随時試験」があります。いずれも受験資格に制限はなく、受験料、試験内容、合格認定証に差はありません。
自分のタイミングで受験が可能なので、チャレンジしやすい資格でもあります。
日商簿記検定
簿記は、会社のお金の管理に関する資格です。
経理などお金を扱う仕事につくならば、その会社においても必須と言えるほど重宝されます。簿記には、主に1級〜3級の資格があり、ぞれぞれの知識範囲は以下のようになっています。
- 3級:基本的な商業簿記。商店や小規模企業の経理がわかる
- 2級:中小企業から大企業までの、財務諸表から経営状況を理解できる
- 1級:企業の経営分析からコンサルができる。公認会計士、税理士の登竜門
就職に活かすならば、2級まで取得できていると、有利に働きやすい傾向があります。経理だけでなく、例えば、営業職を目指す人にとっても、営業実績を理解し、分析・改善を行えることもあるため、職種に関わらず役に立つでしょう。
もし会計に興味があるなら、勉強する価値は十分にあります。
TOEIC
TOEICは、英語能力を証明するためのテストです。
合格・不合格ではなく、TOEICの点数で評価されます。海外や外国人向けに事業を展開している会社では、TOEICの点数が報酬や昇進に関わることもあるので、もし英語に関わる会社を目指すならば挑戦してみると良いでしょう。
ただし、TOEICが必要とされる会社は学歴を重視されがちであるため、高卒から就職のために勉強するには、優先度は低いといえます。
一方で、他の資格と違い、英語能力は、時代の流れや新たな技術によって変化しない特徴もあります。例えば、他の資格ならば、法律変更や新技術の開発により、以前勉強したことが全く使えなくなるケースも珍しくありません。
英語については、忘れない限りずっと使える知識になるため、もし、いずれ海外向け事業に携わりたいと考えているならば、今のうちから勉強しておくのも一つの手です。
普通自動車免許
職種によっては、応募資格だけでなく、仕事の幅を増やすために、自動車の免許取得が必要な会社もあります。
運送業界のドライバー、外回りのある営業職など、必要とされる業界・業種は幅広いです。もし、取得したいと考えるならば、就職前に目指すことがおすすめです。というのも、資格取得にかかる期間は人によって異なり、早い人は1ヶ月、遅い人は半年以上かかる場合もあります。
運転が苦手であったり、忙しくて教習所に通えなかったりすると取得までの期間は伸びがちです。日常生活でも便利な資格なので、必要になりそうならば早めに取得しておきましょう。
実務経験やスキルを身につける
キャリアアップのために、経験を積みスキルを身につける方法があります。
IT業界など、スキルが重視される仕事については最も現実的な方法といえます。そういった業界・業種は、転職の際、実務経験・スキルによって給与を決められる傾向があり、学歴を気にせず、キャリアアップすることが十分に可能です。
高卒から就職すると、同年代の大卒より早く仕事を学べるので、有利な方法ですね。
就職先の会社を選ぶ際に、
- 歩みたいキャリア
- 身につけたいスキル
を見据えて情報収集をすると、より良い就職活動ができるはずです。
実力主義の企業に就職する
日本国内では、勤続年数による年功序列制の給与形態をとっている会社が一般的です。結果を伴わない報酬は、堅実にお金を稼げますが、キャリアアップはしづらい環境といえます。
一方で、実力主義の会社では結果が全てです。例えば、営業職や販売職などでは、自分の上げた売り上げが評価され、給与に反映される制度を導入している会社もあります。
学歴や年齢に関係なく、努力次第でキャリアアップを狙える可能性は魅力的ですね。とにかくはやく実力をつけてキャリアアップを狙いたい人は、実力主義の会社を中心に情報収集することをお勧めします。
高卒就職でおすすめの業界や業種
仕事内容によっては、学歴が重視されず、高卒からでも目指しやすいものがあります。ここでは、特におすすめの業界・業種を3つ紹介します。
さらに、幅広く知りたい方は、高卒就職におすすめの業界・業種をまとめた記事があるので、そちらを参考にしてみてください。
営業職
商品やサービスを売り込むのが営業職の仕事です。
取り扱う商品やサービス、販売する企業・個人など、必要とされる知識やノウハウは会社によって異なるため、自分に向いている業界を見つけるのがポイントとなります。
また、コミュニケーション力の高さが重視され、実力主義なのがこの職業の特徴でもあります。
努力次第でキャリアアップできるので「人と話すのが好き」「現状の分析・改善を行える」ような人にとってはおすすめです。
プログラマー
未経験の募集も多いプログラマーもおすすめの職種です。
IT技術は日々進歩しており、市場も拡大しているため、需要の尽きない職業でもあります。
主な仕事は、仕様書をもとにプログラムを構築し、ソフトウェアやWebサイト、アプリを作成するなど多岐に渡ります。
研修が充実している会社も多く、数ヶ月の研修期間ののち、現場に投入されるケースも珍しくありません。
システムに興味のある人や、新しいもの好きの人は、視野に入れてみるのも良いかもしれません。
介護職
高齢化社会により、若い人材への需要が常にあるのが介護職です。
未経験から働ける職場が多く、なかには資格が必要な業務もありますが、働きながら資格取得を目指せるとアピールしている職場もあります。
高齢者や障害者の方をサポートするのが、主な仕事内容となります。
人のために働きたい、話すのが好きといった人には特におすすめの職業です。
北海道で高卒就職の情報を収集なら『U:story』がおすすめ
ここまで、高卒の就職の情報を解説してきましたが、さらに情報収集したり悩みを解決したい方は『U:story』をチェックしてみてください。
『U:story』は高校生の就職活動をサポートする情報メディアです。
就職活動の進め方や、悩みの解決方法のほか、北海道を中心に高卒を募集している企業の情報を発信しています。
高校生の就職活動を、良い方向へ向かわせる情報を発信しているので、就活生にはおすすめのサービスです。
まとめ
この記事では、高卒就職は厳しくない現実と、キャリアアップしていくためのコツについて解説しました。
高卒の就職は、難しいイメージが持たれがちですが、実際、就職率は高く求人数も豊富にあります。
実力や身に着けるスキル次第で、キャリアアップも十分可能なので、前向きに就職活動に取り組みましょう。
コメント